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 HOME > こんな実験が必要ですか? > 動物を使う遺伝子組み替え実験の危険性  
 

こんな動物実験が必要ですか?

生命を操作する動物実験

動物を使う遺伝子組み替え実験の危険性

CIWF ジャッキ−・タ−ナ−博士とのインタビュ−

AVAR「DIRECTIONS」No.68より (翻訳:ベル)

AVA-net News No.95 (2002.11-12)

主にイギリスそしてヨーロッパ、アメリカなど多くの国々において有益な畜産業の改革が行われている一方で、同時にバイオテクノロジ−研究が進み、結果として動物が被る苦しみが増大している。CIWF(イギリスの農場動物保護団体)は、団体や個人と協力しながら畜産動物の福祉向上のために活動しており、最近では特にバイオテクノロジ−産業に反対の立場から積極的に働きかけている。

 AVARはこの度、CIWFの教育、調査部門責任者のジャッキ−・タ−ナ−博士にインタビュ−を行った。博士はロンドン大学で物理化学と分子構造を学び、1998年以降、畜産動物へのバイオテクノロジ−を研究調査、CIWFのメンバ−としてこの問題を広く知らせることに力を注いでいる。

 

Q:最近の遺伝子工学とクロ−ン研究についてお話しください。なぜこうしたことが行われているのか、そしてそのことが動物にとってどのような影響を与えているのでしょうか?

A:動物のバイオテクノロジストは、畜産動物における遺伝子工学は、直接的に次のようなことを目指していると言っています。

 まず、より生産性の高い動物をつくること、つまりより早く成長しより多くの筋肉を持ち、より高い飼料効率を行い、また病気に強く、より多くのウ−ル(羊毛)を産出し、個体差のより少ない身体でミルクの中の脂肪やたんぱく質の含有量をより高くすることです。

 次に、動物を比較的低コストの「生体工場」として利用する目的で、動物の体液(ミルク、血液、尿そして精液)内に異質のたんぱく質をpharming (注:新しい造語。人間が使用する物質(化学製品、合成物など)をつくり出せるようように遺伝子的に改変された動物を使用する産業、製薬業など)に利用しようとしています。

 最後に、人間に移植ができるような動物の臓器を作り出すことです。つまり、異種間移植ですね。私たちは、こうした科学技術に動物たちを利用して本当に良いのかどうか、動物の知覚、感覚、福祉、人間側の必要性そしてリスク、といった観点からじっくりと見極めなければなりません。

 実際、有効な代替法があるにもかかわらず、また動物の苦痛や死が避けられないにもかかわらず、動物実験や商業化を推し進めようとする動きが、適切に監視されたり規定されたりせずに進んでいます。pharmingのケ−スであっても、これらの異質なたんぱく質の製造は他の方法でも可能なのです。

 動物を利用するのは、単純に経済的な理由によるということですね。ですが、これまでのところ投資した分を取り戻すだけの製品は出ていません。動物のバイオテクノロジストは、彼らが遺伝子統合と表現のメカニズムについて彼らはほとんど知らないことを認めています。注入された卵子の内、わずか1パ−セントしか遺伝子組み替え動物に成長しません。そして生まれた動物の内、わずか10%が新しい遺伝子を持たず、実際に遺伝子を運ぶ動物はより少なくなります。

 実験は、動物の健康を損ねることがままあります。例えば、ブタやヒツジに注入された成長ホルモンの表現をコントロ−ルすることはしばしば不可能でした。従って、過剰なホルモンを持って動物が生まれてしまうのです。実験の結果生じるクロ−ン動物の死はショッキングなものですが、最も良く見られる問題は、異常な胎盤、心臓、肺そして未発達な免疫システムです。最近、アメリカとイギリスの動物クロ−ニングの専問家が、たとえ正常なクロ−ン動物でも明らかに遺伝子表現の異常が認められることがあるし、しかも、なかなかそれには気がつかない、と認めています。

 最近公表された実験によれば、アメリカとイギリスにおいて227匹の大人のヒツジが使われています(公表されていないものも含めれば、この数はもっと増えるでしょう)。これは特定遺伝子を改変する実験だったのですが、クロ−ン・遺伝子組み替えされた子ヒツジはわずか3匹でした。14匹生まれた内、11匹は死に、他の5匹は死産です(Nature 2000年版)。また、イギリスでの実験では4匹が生まれ、4匹が死産。そして1匹も生き伸びることができませんでした。合計78匹のメスのヒツジに120個の遺伝子組替えされたクロ−ン卵子を移植する実験も行われました(Nature Biotechnology 2001)。

 2002年1月、アメリカからの報告によれば、7匹のクロ−ン仔ブタの内、3匹が呼吸障害や心臓障害で死亡し、1匹が心臓と肺に異常を持っていたとのことです。アメリカではまた、110個のクロ−ン遺伝子組替え卵子がウシに注入され、結果12匹が妊娠しました。ですが、これら12匹の内3匹が妊娠中に死亡、5匹の胎児が死産あるいは流産、8匹生まれた仔ウシの内2匹は心臓と肺の障害により生後数週間で死亡したとのことです。(Theriogenology 1999)

Q:こうした科学技術を商業利用することで、長期的に動物、環境そして人間の健康にどのような影響が出るとお考えですか?

A:遺伝子工学とクロ−ン技術が、生産性を最大限上げること、そしてコストを下げることを目的とした、究極に選択された繁殖のための政策を続行するために利用されるとすれば、そこには大変な危険が伴うでしょう。

 こういった政策はすでに動物の健康と福祉にダメ−ジを与えています。pharmingにおいて動物が将来の低コスト低価格の化学工場となる可能性があること、そして動物たちが新製品開発のために常に実験対象にされることによって、中には健康にダメ−ジを与えられるものたちも出てくる(例えば乳腺内にコラ−ゲンが過剰につくられるなど)のではないかと、私たちは大変に心配しています。畜産動物における遺伝子工学に期待する声はそれでも大変多いと言わざるを得ません。医学的治療法、農業における競争力、そして世界の飢えた人々に食べ物を与えるといったことまでもその理由として挙げられています。ですが、こうした理由に疑問を投げかける時、これらが正当な理由なのか、注意深く検討されてはいません。

 現実に起きているのは、畜産動物バイオテクノロジ−が小規模の農家の経営を追い詰め、畜産動物の遺伝子の多様性を失わせているということです。そしてもし、不注意により動物が病原体の新たな宿主になったり、媒介として使用された不活性ウイルスが実験動物の体内で活性化した場合、未知の動物そして人間に対する病気が生まれる可能性もあるのです。例えば、遺伝子改変が行われた魚が逃げ出せば、野生の魚たちを殺してしまうことも起きるでしょう。pharming で使用された遺伝子改変が行われたり,あるいは失敗した実験が行われた動物を人間の食用に利用してはどうかと、アメリカFDAやイギリスの諮問委員会が提案していますが、これは特に大変な危険をはらんでいると思います。ニュ−ジ−ランドの環境当局は、遺伝子改変が行われたウシは全て外部と接触できない場所に収容し、廃棄物は全て敷地内に捨てるように要求しています。

Q:クロ−ン技術に畜産業界がこんなにも関心を寄せる理由は何でしょう?そしてなぜ関心は高まっているのでしょうか?

A:最近明らかにされたクロ−ン技術の問題点、例えば胎児の半分が誕生前あるいは誕生直後に死亡するといった問題点が、1990年代半ばにあった畜産動物のクロ−ニングに対する熱狂に水を差したことは事実です。けれど、アメリカのバイオテクノロジ−企業は、すでに生産性が最も高いクロ−ン乳牛の販売、搾乳を行っています。イギリスの政府諮問機関、FAWC(畜産動物の福祉を考える諮問機関)は、商業ベ−スでのクロ−ニングが進んだ場合、有害な突然変異が大規模に発生する可能性があることに関心を寄せています。クロ−ン技術はまた実験室のシャーレの上でDNAを変えるのに最適な手段としても考えられています。

Q:こうしたことを広く知らせるためにCIWFは何をなさっていますか?

A:CIWFは1980年後半に起きたベルツ村で起きたブタ災害が公けに知られて以来、畜産動物に対する遺伝子工学に強く反対してきました。私たちはヨ−ロッパにおける「発ガンマウス」の特許に反対しました(昨年、この特許は法的に厳しく制限を受けました)。

 生命を特許化することに反対するキャンペ−ンを展開したりしています。また、会議を開いたり、学校や大学向けのレポ−トやビデオ、教材を出版したりしています。今年の秋には公開ディベ−トを行うのですが、ここでは有機畜産、倫理、バイオテクノロジ−産業についてのパネル展も並行して行います。そしてこれらはディベ−トの発言者でもあるア−ティスト、Sue Coe によるロンドンの中心街でのア−ト展へと続きます。ア−ト展のテ−マは遺伝子工学で、人々にこの問題を知ってもらう良い機会となるでしょう。今年、私たちは新しいレポートを発表しました。「遺伝子と不変の扉 バイオテクノロジ−と畜産動物」というタイトルですが、これまでお話したことが詳しく載っています。レポ−トその他の資料はメイルで請求できますし、CIWFの資料はほとんど私たちのウェブサイトからダウンロ−ドできます。     

 

 

 

 
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