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 HOME > こんな実験が必要ですか? > サルのストレス研究  
 

こんな動物実験が必要ですか?

残酷・無益な実験とは

サルのストレス研究
−京大霊長類研究所の研究発表を傍聴して

AVA-net News No.78 (2000.3-4月号より)

 11月25日(金)、愛知県犬山市にある京大霊長類研究所でサルのストレスの研究に関する発表が行われ、傍聴した。京大霊長類研究所の目的は、同研究所のインターネットウエブでは、「多くの実験動物を使用する物質レベルの研究にはラットの実験系が最適」「知覚システムや運動制御システムの解明にネコでの研究が多くの成果をもたらす」「複雑な認知や判断を必要とする高次の機能はサルが得意とする脳のはたらきであり、ラットやネコで研究していたのでは限界がある。サルを使うからにはサルでなければできないような研究をしようという考えから、サルの大脳皮質連合野における高次の機能を中心に研究している」であるそうである。そこに出ているサルの写真は縦横共に50〜60cmの檻に入った親子のサルがおびえた表情で写っている。

 今回、霊長類におけるストレスの研究報告というものを聞いたが、3年間に渡り研究した内容とは思えないもので、素人である私が聞いても疑問を持ってしまう報告だった。

 

赤ちゃんサルのストレスと
BGMの関係の実験

 「ニホンザル新生児のストレスに対する反応」という報告は、人の赤ちゃんが泣いている時に母胎の心臓音を録音した音を聞かせると泣きやむという事が分かっているが、これが子ザルの場合はどうかという研究だ。サルの赤ちゃんの四肢を押さえて、足の裏から採血し、泣くかどうか、顔の表情はどうかを見て、音を聞かせる場合と聞かせない場合で比較するというもの。

 採血した血中のコルチゾール値を測定し、その値でストレスをはかる。この結果、(1)採血前より採決後の方がコルチゾール値が高くストレスが高い事、(2)BGM(ここではホワイトノイズと呼ばれるノイズ)があった方が、音が何もない時に比べ泣き方が少ない。

 子ザルを親から離す場合は親に麻酔をかけて眠らせてから離しているそうである。この研究成果がサルのストレスを軽減する事にもつながるとも言っていた。しかし人で分かっている事をなぜサルでまたやるのか。それに人の場合と違い、子ザルをむりやり親から離し、手足を拘束した時点でかなりストレスがあり、採血のストレスどころではないのではないだろうか。

扱いにくい子供がなぜできるか

 「母胎のストレスが胎児の神経発達に及ぼす影響」というテーマで、助産婦の女性が研究発表。子供が扱いにくくなるのは、もしかしたら妊娠中の母親のストレスに関係があるかもしれないという仮説を立てるのはいいとしても、それを証明するのにサルを使うというのはどう見てもおかしいと思う。人間の母親や赤ちゃんをたくさん見ているはずの助産婦が、なぜ人間のデータや観察から考えないで、すぐにサルを使おうということになるのか。

 人間の場合、母子関係のストレスは社会的なものがほとんどだが、そもそもサルの社会と人間の社会は異なるのだし、実験室のサルと野生のサルでは社会行動に大きな差がある。それなのに、実験室の妊娠したサルにストレスを与えて、それが母親による児童虐待に何らかの関連があるかどうかを調べるなど、無意味としか思えない。しかも、サルはストレスを物語ってくれないので、妊娠中の母ザルに毎回麻酔をかけて胎児の心音や心拍数を測定する。発表者自身も、こんな実験で自分の仮説が証明できると信じているのかどうか、さっぱり要領を得ない内容だった。

チンパンジーのストレスと
発情期の関係を調べる実験

 この報告は、チンパンジーを放飼場より実験室(認知実験でテレビ画面で間違い探しを50分間させる)まで呼んで来させるのに、自発的にすぐ来る日となかなか来ない日があるので、これについて、その原因を発情期との関連で研究したものであった。この結果、発情期には尿の中のアドレナリンが増え、自発的に来ない日が多い事がわかったとの事。何も発情期との関連でなくとも、チンパンジーだっていろいろな気分の日があると思うのだが、それを発情期との関係でこじつける事に疑問を持った。発表者は、「とにかく客観的データを出さないことには」と言っていた。動物を使えば何をやってもそれらしい数値が出せるから、こういうばかばかしい実験がさかんに行われるのかもしれない。

サルを使った低栄養ストレスと
生殖機能低下の実験

 絶食等の低栄養下では動物の生殖作用が抑制されるが、そのメカニズムを探る実験として次のような報告があった。雌のニホンザルから性ホルモンの影響を除外するため卵巣を除去し、10分間隔で8時間にも渡って採血する。それから4時間後に、血糖利用阻害剤を投与し低栄養状態にして、黄体ホルモン(LH)パルスの変動を調べる。この実験により血糖利用阻害により黄体ホルモンが抑制される事がわかったとの事。また同時にサルの脳の視床下部に記録用慢性電極を留置する。脳低位固定装置とX線脳室造影像によってこれを行った。多ニューロン発射活動が黄体ホルモンと連動するかを見るため、サルをモンキーチェアで固定し、その記録をとった。この結果として、LHパルスのピークは視床下部神経活動の直後に観察され、その関係が一対一で対応している事がわかったとの事。生殖機能を抑制する各種ストレスを直接的にモニタリングできるようになった事は意義深いとの事。サルに電極を埋め込んでいる実験者を外から観察したら、ぞっとするような光景だと思う。(続く)

(AVA-net会報78号/2000.1-2月号より)

 

 

 

 
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