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 HOME > 海外ニュース > 米メイン州では学校での解剖実習が議論の的に  
 

海外ニュース

米メイン州では学校での解剖実習が議論の的に

AVA-net 海外News No.106 (2004.5-6)
翻訳:宮路


  昨年、グレイ-ニュー・グロスター高校での生物学の授業で、ブタの胎児を解剖した際、数名の生徒が動揺したことに、生物学教師のバーンハムは驚かなかった。

 ブタのあごを砕いて硬口蓋と軟口蓋を観察しながら、不快感を表す生徒もいたが、心房の様子や、動脈がどのように肺につながっているかに魅せられていた生徒もいた。

 バーンハム自身、実習の授業を不快に感じた生徒のひとりだった。イデオロギーの理由から菜食主義者である彼は、コンピューター上で学習できることを教えるために、あまりにも多いブタが犠牲になったと思っていた。

 今春、バーンハムは、クラス全員の前で実際の解剖を一回行い、生徒には実習のシミュレーション版をやらせようと考えている。個人的には、代替法がある場合、実習を自分の授業で行う必要はないと思う、と彼はいう。全米で、ホルマリン漬けのブタの胎児、ネコ、カエルの使用を代替法に代える中学・高校教師が増えているが、バーンハムもそういった教師のひとりだ。

 テクノロジーの進歩のおかげで、ビデオテープ、スライド、粘土モデルのような解剖実習の代替法にコンピューター・シミュレーションが加わった。生徒は、コンピューター・マウスを使ってプログラムを操作し、様々な身体部分や器官を見ることができる。 プログラムの中にはスケッチやグラフィックスを使用しているものや、実際の解剖を映したビデオや写真を使用しているものもある。映像には、生徒がモニター上で見ているものの説明文が添えられ、動く矢印や線で解剖のシミュレーションをすることができる。

 経済的な理由で、毎年、解剖用の動物を購入する代わりに幾度も繰り返し使用できるコンピューター・プログラムを選ぶ学校もあるし、生徒が感情的、あるいは倫理的理由で動物の使用を拒んだ場合の教育ツールとして代替法を取り入れている。米国人道協会(HSUS)によると、少なくとも8つの州で、学生に解剖実習を行わない選択権を保証する方針や法律があり、この中にはフロリダ、カリフォルニア、イリノイ、ルイジアナ、ニューヨーク、ペンシルバニア、ロードアイランド、メインが含まれる。

 メイン州の教育庁は、1990年に、学生が解剖を行わない正当な良心的・倫理的理由を示した場合、各学区はこれを認めるよう、また、解剖実習を行わない場合、そして代替法についての方針をまとめるよう勧告を出した。

 ホールトン高校でマイク・ハニガンが取っている人間の解剖学と生理学では、ネコや動物の心臓、目、脳の解剖が授業の主な部分だが、生徒は、解剖を観察するだけのオプションを与えられている。この授業を取っているのは、大学進学を希望し、解剖を行いたいと思っている生徒だとハニガンはいう。ハニガンは、ある程度の解剖は必要だが、大部分はコンピューター・シミュレーションの技術に優るものではないと思っており、解剖実習と代替法を組み合わせたものが最良ではないかという。解剖用の死体を購入するための資金と時間で、もっとずっと重なことを学習することができると思う、と彼はいう。

 ポートランド高校の生物学や解剖学のクラスで解剖実習を行った生徒は、コンピューターモデルで同じように学べたかどうか分からないが、代替法が有効な生徒もいるだろうという。スコット・キャスカートは、最近、解剖学と生理学のクラスの一環としてネコを解剖した。気分が悪くなったが、実習を免除してくれるようにとは頼まなかった。おそらく、血が出なかったので、最後まで解剖することができたのだろうという。キャスカートは、大学でも科学の勉強を続けたいと思っており、実習は筋系や身体の部分比率について学ぶ助けになった、実習を行いながら、動物の体内を観察するほうがいろいろなことを学ぶのが容易だと思う、という。

 やはりポートランド高校に通うリンジー・ウィルソンは、2年生の生物学の授業でカエル、サカナ、ムシを解剖した際、気分が悪くなったが、実習を行わなかったなら、行ったのと同様の知識は得られなかったかもしれない、実際に自分の手で行わないと、ずいぶん違うのだという。

 バージニアに本部のある全米生物学教師協会のウェイン・カーレイは、協会は解剖の代替法は存在しないと考えている。教師が、解剖実習の目的が動物の身体部分の名前を記憶することであると思っているのであれば、代替法でも有効かもしれないが、器官がどのように働き、臓器がそれぞれどのように結合し、心臓がどうなっており、筋肉がどのように足を動かし、動脈が心臓からどこへ流れていくかを学ぶのが目的であれば、実際に動物を使用する必要があるという。

 HSUSは、動物は、捕獲され、人に取り扱われ、輸送され、解剖用に殺されることによって苦痛を味わうという。HSUSは、中学・高校の解剖は観察と身体部を記憶する以上のことはほとんど目的としておらず、解剖実習がこれから科学を学ぼうとする生徒の意欲を殺ぐ可能性があり、また、代替法で学習した学生も、実際に動物を使用した学生と同様かそれ以上の知識を得ることができると考えている。

 HSUSは、解剖がアメリカの生物学教育に定着している教育法であり、これを完全に廃止することは困難であることを認識しており、会の当面の目標は、学校側が生徒に代替法を選択する権利を与えるように求めるだけだ、と動物実験問題担当副会長のマーティン・スティーヴンスはいう。

 グレイ-ニュー・グロスター高校の生物学教師、バーンハム自身は、従来の解剖実習より代替法を好むが、多くの生徒が実際の解剖から学ぶことができると考えており、自分が代替法で授業を行う週には、実際の解剖を希望する生徒は別の生物学クラスを選択することができるようにしている。「生徒が実際に解剖を経験する機会を奪うことはしない。ブタは哺乳動物であり、その体内構造は人間のそれと非常に似ている。ほんとうの意味での代替法はなく、早い時期からに医学分野に進むことを考えている生徒がいれば、実際の解剖と同じものは何もない」という。

 

 

 
 
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