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海外ニュース

【イギリス】

欧州委員会がEU域内の実験動物数を公表 

ヨーロッパの研究における動物の使用数は変わらず
遺伝子組み換えマウスの使用と動物実験代替法の数は増加

AVA-net 海外 ニュース  No.146 2011-1-2 翻訳:宮路正子

欧州委員会が発表した最新の統計によると、2008年、欧州連合(EU)では、約1200万匹の動物が科学目的に使用された。

数の上では2005年に出された前回の統計報告とあまり変わらない。 しかし、数字だけでは化学物質や薬品の安全性試験において徐々に導入されている代替法が与える影響が明らかにならない。代替法では実験ごとの使用動物数が大幅に削減されている。また、今回の数字にはREACH(化学物質の登録、評価、認可及び制限)規制によって、これから10年あるいはそれ以上かけて行われるはずの動物実験の爆発的な増加の影響も表れていない。REACH規制では、EUの市場に出回っているすべての化学物質の安全性試験を2018年までに行わなくてはならない。

実験動物の使用割合が最も高いのは基礎生物学研究で、2005年の33%から2008年には38%に増加している。これは数にすると50万匹以上の増加で、この増加の大部分は遺伝子組み換えマウス使用の増加に起因する。 また、すべての科学目的に使用されるマウスの合計数は前回より69万以上増加しているが、一方、医学・獣医学の研究開発に使用される動物の数は31%から23%に減少している。

27のEU加盟国のうち、5つの国だけでEU全体の実験動物使用数の2分の3以上を占め、フランスが19.4%、イギリスが18.9%、ドイツが16.9%、スペインが7.5%、イタリアが7.2%となっている。EUの製薬会社の多くがこれらの国を本拠地にしているが、その多くは動物を使用しない薬品開発への依存度がこれから増えていくという。

スイス、バーゼルに本社を置く製薬会社ロシュの薬品安全性の専門家、トーマス・シンガーは、ヒト組織、幹細胞、コンピューター利用による(in silico)知識の利用は、安全性評価における動物使用の削減という意味で、自分たちの専門分野に大きなプラスの影響を及ぼしたという。
EUの規定に従って、2005年にも2008年にも大型類人猿は全く使用されず、また実験に使用された新世界ザルはすべてヨーロッパ域内で繁殖されたものだった。

薬品や工業用化学薬品の毒物検査に使用された動物の割合は全体の8.7%と変わらず、数字でいうと100万匹余りになる。このうち8万匹が工業用化学薬品や家庭用品の安全性試験に使用されたが、2005年には、この数字は10万匹で、EU加盟国がわずか15ヶ国だった2002年には14万匹だった。このように着実に数が減少したのは、動物をまったく使用しないか、使用数が少ない有効な安全性試験が増加したことによる。REACH規制の必要条件を満たすために、2018年までに、業界は900万匹の動物を実験に追加するだろうと委員会は推計しているが、この数字については異論もある。

毒性試験の代替法はすでに動物実験にいくらかの影響を与えているが、これからはより大きな影響が予想される。 LD50試験という、動物に化合物を与え、その半数を殺すにはどのくらいの量が必要かを決定する試験の改定が承認されたおかげで、ひとつの化学物質に使用されるラット数は45匹から最多でも12匹に削減された。 これが反映してこの種類の実験に使用されたラットの数は2005年の19、700匹から2008年には7、000匹に減少した。 また、新しい代替法によって、皮膚刺激性試験に使用されるウサギの数が5、100匹から4、200匹に減り、眼刺激試験に使用されるウサギは4、000匹から2、100匹まで減少した。

「これらは数としては比較的少ないものです」と、トーマス・ハートゥングはいう。ハートゥングは米メリーランド州バルティモアにあるジョンズ・ホプキンス大学動物実験代替法センター(CAAT)の所長を務めており、イタリア、イスプラにある欧州動物実験代替法有効性評価センター(ECVAM)の元所長だ。 「化学物質を投与するための予備試験として義務付けられている発熱性検査では、もっと大きな影響があるでしょう。つまり、何万羽ものウサギが実験に必要なくなるということです。」 ヨーロッパ薬局方(医薬品に関する品質規格書)は、今年、ウサギを使用した実験の代替法としてECVAMが有効性評価を行った代替法を承認した。
しかし、これだけの削減があったにもかかわらず、全体の数字はほとんど変化がない。これは、どこかで使用数が増加していることを意味する。実験用マウスの使用数が増加したひとつの要因はBoToxだ。これは、非常に毒性の強いボツリヌス菌の生物学的製剤で、苦痛を伴う筋肉の痙攣を治療するのに臨床的に使用される。 しかし、それよりもシワを取るという美容目的で幅広く使用されている。BoToxはバッチごとにマウスで安全性の試験を行っており、2005年には33、000匹のマウスが使用されたが、2008年には87、000匹に増加している。

2010年10月7日
Nature News
http://www.nature.com/news/2010/101007/full/news.2010.524.html

 

 

 

 

 

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