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 HOME > 海外ニュース > 英、動物実験への資金提供団体が、新しい動物福祉指針を発表  
 

海外ニュース

【イギリス】

動物実験への資金提供団体が、新しい動物福祉指針を発表

動物実験に関するガイドラインが発表される一方で、新しい遺伝子データは、マウス・モデルが人間の疾病研究に関連性がないかもしれないことを示唆している。 Laboratory News

AVA-net 海外 ニュース  No.132 2008.9-10

翻訳:宮路正子

 

 イギリスにおける5つの主な動物実験への資金提供機関は、研究における動物の使用に関する指針を発表し、海外の研究施設とのコラボレーションで研究を行う場合、動物福祉基準が英国の法律とこの指針の主義に則ったものである場合のみ、資金の提供を行うと述べた。

 これまでにも指針を発行した資金提供機関はあったが、これは医学研究会議(MRC)、バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)、自然環境研究会議(NERC)、ウェルカム財団(医学研究支援等を目的とする慈善団体)、国立3R代替法センター(NC3Rs)が、研究に動物を使用する際の、3R(置き換え
、苦痛の軽減、数の削減)の共通原則を初めて共同で製作したものだ。

 MRCの最高責任者、レシェク・ボリシーウィクツ卿はこういう。「この指針は、資金提供機関が動物を使う研究者に何を期待しているかを非常に明確に提示しています。良い動物福祉と3Rの完全な実施は、健全な科学と研究に動物を使用することに対する一般市民の理解を維持するのに不可欠です」

 科学実験における保護が定められている動物を使用する英国での研究は、内務省が管理する動物(科学処置法)1986年で規制されている。この法律は、研究者が3Rを実験に適用することを義務付けているが、それをどのように実行するかについては最低限のことしか含まれていない。

 BBSRCの暫定最高責任者、スティーブ・フィッシェルは「基礎科学が、研究に使用される動物を代替法に置き換え、苦痛を軽減し、その数を削減させるための新しい選択肢を見出すこともしばしばあるが、動物使用は生物医科学の多くの重要な領域で未だに必要とされています。科学者が、イギリスの資金提供者が要求する非常に高い基準で研究を続けることを確実にするために、私たちはできる限りのことをするということを、改めて強調することができて喜ばしく思っています」と述べている。

 これは、科学界全体が共有する気持ちだが、米国からの新しい研究のニュースは、そればかりでなく、マウス・モデルは人間の疾病には役に立たないかもしれないことを示唆している。

 マウスは85%のゲノム(染色体上の遺伝子が持つ情報)を人間と共有するため、医学研究において人間の代用としてよく使用される。しかし、ミシガン大学の進化生物学者、ベン-ヤン・リャオとシャンツィ・チャンは、同一の遺伝子が、マウスと人間において異なった機能を持つかもしれないことを発見した。

 「誰もが、マウスと人間で、同一の遺伝子を取り除くと、同じ表現型(遺伝子型と環境との相互作用により、遺伝子型の一部が目に見える形で現れる生物組織の特質)が起こると考えており、それが、人間の疾病を研究するためにマウスを使用する基礎となっています。しかし、我々の研究は、そのようなケースばかりではない可能性があることを示しています」と、生態学・進化生物学の准教授であるチャンはいう。

 チャンとリャオは、人間がマウスと共有する120の必須遺伝子を調べ、マウス遺伝子の研究も進めた。これら120の必須遺伝子がマウスにおいても必須であるなら、そのうちのどれかを取り除けば、繁殖能力が削除される、あるいは生殖可能年齢前に死亡するはずである。しかし、実験は予期していなかった相違を示した。

 驚いたことに、120の必須遺伝子のうち22%がマウスでは必須ではなかったのだ。ある程度の相違は予想していたが、その数値がこれほど高いとは思わなかった、とチャン準教授はいう。

 チャン準教授は、この研究では比較的少ない数の遺伝子しか扱っていないことを認め、他の研究者が2人の研究結果を裏付けることができるような研究結果を出してくれることを望んでいるという。しかし、ドクター・ハドウェン・トラストの科学担当者であるニッキー・ゴードンは、マウス・モデルに関するチャン準教授の憂慮に同意している。ドクター・ハドウェン・トラストは、動物実験を置き換えるための動物を使用しない研究方法に資金を提供する医学研究慈善団体だ。

 ゴードンは本誌のインタビューでこう言っている。「私たちは、ヒトとマウスにおける同等の遺伝子が同じ機能的効果がないことをこれまでずっと問題にしてきました。毎年、何百万もの遺伝子を組み替えられたマウスが人間の疾病の研究「モデル」として使用されていますが、このような研究の、人間の患者と
の関連性はおおいに疑問です」

 チャンとリャオの研究は、米国科学アカデミー紀要に掲載される。

2008年6月12日 
Laboratory News

http://www.labnews.co.uk/laboratory_article.php/3432/2/2/new-guidlines-published-as-mouse-models-thrown-into-question

 

 

 

 

 

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