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 HOME > 海外ニュース > 新しいDNA損傷テストは動物実験を削減する可能性が  
 

海外ニュース

【アメリカ】

新しいDNA損傷テスト、

動物実験を削減する可能性が

AVA-net 海外 ニュース  No.126 2007.9-10

翻訳:宮路正子


薬品がDNAを損傷するかどうかを検査するための新しい方法は、創薬に必要な動物実験の数を減少させ、また、従来の手法より低コストかもしれない、とこの検査法の考案者ジョー・シューガはいう。

どんな薬品でも人間で臨床試験を行う前に、米食品医薬品局(FDA)は、薬品開発者はそれが遺伝毒性を持つ、つまり細胞核のDNAを破壊するかどうかを
検査することを義務付けている。

副作用としての遺伝毒性は、特に関心を持たれているものである。というのも、遺伝毒性は細胞の変異につながるものであり、遺伝性異常やガンを引き起こすことがあるからだとシューガはいう。このような副作用は放射線療法や化学療法との関連が最も一般的だが、電離放射線のようないくつかの外的要素によって引き起こされる場合もある。

通常、遺伝毒性レベルの試験は、生きたマウスに開発中の薬品を注入し、24時間から48時間してから、マウスの骨髄中に形成された破損赤血球を探すという方法をとるが、ホワイトヘッド生物医学研究所とマサチューセッツ工科大学の科学者は従来の方法に代わる細胞培養代替法を開発した。

シューガは、生きたマウスを使う代わりに、マウスの赤血球を作り出す骨髄から抽出した細胞を基に分析評価を行う方法を開発した。この方法では、一匹の動物から抽出した細胞で数百あるいは数千の検査を行うことが可能なので、実験に必要な動物の数が劇的に減少される可能性がある。

そして、それだけではなく、検査の処理能力が高くなることにより、コスト削減にもつながり、薬品開発担当者が開発過程のより早い時期にその薬品を使用することが可能になるため、時間も節約できる。

他にもサルモネラ菌やチャイニーズハムスター卵巣由来の樹立細胞株を使用した“in vitro”の検査法もあるが、それらと比べると、この検査法は「生理学的に哺乳類の本来の姿により近い」とシューガは説明する。

実際、この検査法はヒト組織に応用することも可能だと、ロディッシュ教授はいう。ロディッシュ教授はグリフィス教授、サムソン教授と共にこの研究を監督した。

この研究は新しいタイプの薬品毒性臨床試験の第一段階だとロディッシュ教授はいう。この研究ではまだそこまで行っていないが、この手法を人間に応用することもできるという。研究者は動物ではなく人間における毒性をじかに予測する分析評価法を求めているので、そういう意味では人間は金本位制度における金と同じであり、人間の骨髄は医学的処理後に人体から採集することができる。

細胞の小核検査を応用してヒト細胞の読み取りができたら素晴らしい、とサムソン教授も同意する。そのような検査は、ひとりひとりがどのように化学療法薬
に反応するかを調べる新しい方法を提供することができるのだという。

シューガは、最初に、すでに確立されているマウスの胎児肝細胞を使用した細胞培養システムのテクニックを応用して、マウスの骨髄から採取した成人赤血球の先駆物質を使用した新しいシステムを作成しようとした。

薬品がDNAを破壊した場合、その結果できた断片は新たに形成される細胞の核には組み入れられず、代わりに、「小核」を形成し、本体が損傷を修復できないなら、奇形細胞は、死ぬか、または白血病や貧血のような深刻な副作用をもたらす可能性のある変異を有して生存する。

また、シューガは、コストの削減は必ずしも検査の質の低下につながるわけではないと指摘する。新しい検査法は生きたマウスで肯定的な結果を出した3つのDNAアルキル化剤すべてに対してその有効性が確認されているし、化合物評価試験もすべて、その有効性を肯定する結果を出している。この新検査法はこれまでのものより基準遺伝毒性レベルが高いが、これはおそらく生きたマウスにおけるそれと比べて細胞における赤血球の成長レベルがより高いためだろうという。

ある特定のDNA修復システム機能が不全な変異マウスを実験に使用すると、正常なマウスより毒物に対して敏感であることが判明する。シューガは、変異マウスから採取した骨髄細胞を新検査に組み入れ、新検査で得た結果が“in
vitro”で再現できることを示し、この検査法の有効性をさらに立証した。この結果はProceedings of the National Academy of Science誌5月14日号に発表されている。

しかし、細胞のみに頼るマイナス面もある。検査は他の生体機能から分離されているが、シューガによると、肝臓による代謝後にのみ遺伝毒性を有するようになる化合物もあるという。

論文で解説しているように、これらの薬品はこの試験では検出されないだろうが、幸いなことに、ある程度の代謝活性化を復元するために“in vitro”の遺伝毒性検査に肝臓ミクロソームを加えることが確立している、とシューガはいう。

2007年5月16日
BioPharma Reporter.com
http://www.biopharma-reporter.com/news/ng.asp?n=76581-whitehead-
institute-massachusetts-institute-of-technology-genotoxicty-animal-
experiments

 

 

 

 

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