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本の紹介

動物実験を考える

AVA-net News No.122

99.9%は仮説
思いこみで判断しないための考え方

竹内 薫著 光文社新書 700円+税

 『カッコーの巣の上で』という映画をごぞんじでしょうか。この映画は精神病院という密室の中で行われてきたロボトミー手術を取り上げたものです。ロボトミーは精神病患者の治療法として、脳の前頭葉を切除する手術を言い、1930年代にチンパンジーで実験が行われたあと、すぐさま人間に広く行われるようになりました。当時は画期的治療法だとして、これを開発した研究者はノーベル賞を受けました。
 しかし、手術を受けた患者は、自分の意志で行動することが困難になり、まるで魂が抜けたように人格が変容してしまいます。かつてのソ連では政治犯に対して、人格を変える方法として行われたと言います。日本でも広く行われていましたが、1960年代、東京大学精神神経科でこの非人道的手術についての内部告発が起こりました。
 医科学的研究においては、その当時は正しいと思われたことがやがて覆されることがしばしばあります。
 本書では、ロボトミーの例も含め、科学とは常に仮説の上に成り立っているものであり、絶対的真実ではないということを、いろいろな具体例をあげて、たいへんわかりやすく紹介しています。取りあえずは、常識、固定観念、先入観から離れて、素朴に、シンプルに、物事を見てみることも大切だと思います。(野上)

AVA-net News No.116

市民のための疫学入門

津田敏秀著 緑風出版 2400円+税

 私たちは一般に医科学研究というと、どんなイメージをまずもつでしょうか。実験室の中でマウスやラットに毒物を投与したり、その結果どうなったかを見るために解剖したりしているという場面を想像するかもしれません。けれども、よく考えればわかるように、医科学研究はあくまで人間の病気の解明や治療を目的としているはずです。どうして人間を対象にしないで、動物実験ばかりを研究しているのでしょう?
 実は、本当に病気の人を対象にして研究する学問があります。それが疫学です。疫学は、食中毒や感染症、がん、医薬品の副作用といった広範囲の病人を対象として、そこに共通する症状を把握し、これに対して早期に対処する方法を提起する学問です。
かつて雪印の大阪工場から出荷された牛乳が原因で10000人以上もの患者を出した事件がありました。このような時には、行政は疫学者とともに、ともかく発生源を押さえ早急に営業停止にしなければなりません。食中毒を起こさせた細菌が何であったかという研究はその後です。
 疫学は人間の発症データを幅広く集めて統計的に処理することにより、病気の原因を突き止めようとする方法です。実験室の中でいくら動物実験をしても、実際の人間の病気には一致しません。こういう条件で、こういう動物に、こういう操作をすると、こういう症状が現れるということだけをもって、人間の病気を解明しようとするのはむしろ暴論のようにも思えます。それよりも、現実に起こっている人間の病気のデータを幅広く集めて研究する方がずっと役立つように思えます。
 実験研究者の発表を鵜呑みして書かれた新聞記事を批判的に読むためにも、本書はとても役立つでしょう。(野上)

AVA-net News No.115

心は実験できるか 20世紀心理学実験物語

ローレン・スレイター著 岩坂彰訳 
紀伊国屋書店 2520円

 人間の心の動きを知ることに最も長けているのは文学です。ところが近現代の科学万能主義の世界の中で、人の心も科学的に分析し研究対象にすることができるはずだという考えから心理学が誕生しました。しかも悪いことには、心理学にも科学の手法が導入されたために、実験、それも動物実験が行われることになったのです。
 悪名高い「愛情実験」は、サルの赤ちゃんを母親から引き離し、まぶたを縫い合わせて見えなくし、本当の母親代わりに人工的な「代理母」−一方は体がトゲだらけで、突起を押すとミルクを与える代理母、もう一方は柔らかい布で作られているがミルクは与えない代理母を、与えるという実験です。「研究」の結果、サルの赤ちゃんはトゲトゲでミルクを与える母よりは、ミルクは与えなくとも柔らかい母に固執した、とのことです。それゆえに、人間の母親は子供をどのように育てなければならないかに大きな示唆が与えられたとのこと!
 この実験結果はセンセーショナルに歓迎され、アメリカの育児方法にも影響を与えたそうです。しかし、その後の「研究」で、成長したこのサルは、心身の異常をきたしたとも記されています。
 よく考えてみましょう。人類が長い歴史的経験の中で学び、社会的・文化的・道徳的に形成してきたことを無視しして、実験室という密室の中で、動物を使って実験をしたことの方が「科学」的に正しく、真理だとは! このような動物実験を知れば知るほど、科学研究とは愚者の行為としか思えません。(野上)

AVA-net News No.111

動物実験の生命倫理
 個体倫理から分子倫理へ

大上泰弘著 東信堂 4000円

 当会AVA-netのホームページは、トップに「止めよう! 生命への暴力−動物実験廃止・全国ネットワーク」と書かれています。動物実験を問題とするのであれば、「生命への暴力」というよりは「動物への暴力」と表現した方がいいのではないか?と問われたことは、これまで誰からも、一度も、ありませんでした。おそらく、会員の皆さんを含め、多くの人々がこれに違和感を覚えなかったからでしょう。
 動物実験は、確かに個々の動物に痛みや苦しみを与える行為ですが、そのような行為は密室の中で行われており、虐待だという批判にさられることはほとんどありません。むしろ私たちが動物実験という言葉から受ける印象は、研究者が動物という生命体をばらばらに分断してその一部から自分たちに必要なデータを強制的に取り出すものだというイメージです。従って、動物実験は個々の動物を苦しめている、虐待しているということよりも、密室の中で生命というかけがえのないものに一方的な暴力が加えられているという印象を与えるものとなっています。
 今、医科学研究は、遺伝子組み替え、クローン、ES細胞など、生命現象の根幹に関わる分野で、ほとんど何の歯止めもなく進められています。そのような中で、もし苦痛を感ずる機能を除去された遺伝子組み替え動物が作られれば、そのような動物実験なら容認されるのかといったことが問われることもあるでしょう。けれども、実際は多くの人々は、単に苦痛の有無だけを問題としているのではなく、そのような遺伝子改変動物を作ること自体、生命の尊厳、生命の全体性に対する暴力ではないかと考えるでしょう。
 世界的に遺伝子組み替え研究は急速に拡大しており、日本でも2001年には遺伝子組み替えマウスの使用は100万匹を越えるほどに急増しています。このような時代にあって、動物実験はまさしく生命倫理として問われるべき課題です。また、遺伝子改変生物が生物多様性に及ぼす影響を考えるとき、その上に生態系倫理として社会の様々な分野の人々が参加して考えていくべき課題です。
 本書は、このような時代の変化を受け止め、個体の倫理を越えて生命現象に共通する倫理の必要性を提案しており、たいへん興味深い内容です。また著者は、製薬会社の研究員で、かつ会社に認められて大学院に入り生命倫理の研究をしたというユニークな立場の方です。その実験研究者の立場から、これほど誠実かつ真剣に倫理の問題に取り組む論考が出てきたことに注目したいと思います。
(野上)

AVA-net News No.91

なぜサルを殺すのか−動物実験とアニマルライト

デボラ・ブレム著 寺西のぶ子訳  白掲社 3600円

 動物実験は、「人の身代わり」として動物を医学研究に使うことです。医学は人の病気の研究や治療の開発を目的としているので、本来は人間を使うことが科学的には最適であるはずです。しかし、人体実験が許されないのは科学的理由ではなく、「倫理」的理由によるものです。つまり人には実験台にされない権利があるけれども、動物にはそれが認められていないからです。

 従って、人の身代わりとなる実験動物は人に最も近い種であることが望ましいことになり、それ故に、これまで医学研究のために何百万という霊長類が自然界から捕獲されてきました。現在、サル、霊長類、類人猿は、生息地の破壊および実験用捕獲によってすべて「絶滅のおそれがある種のリスト」に掲載されています。

 彼らが人と遺伝的に最も近縁の種であるということは、人と同じように痛みや苦しみを感じるばかりか、喜びや悲しみ、仲間とのふれあい、共感の能力なども共有しているという意味に他なりません。チンパンジーは人間と98.6%もの遺伝子を共有しており、ネズミやネコと比べれば、ほとんど「人」と言ってもいいでしょう。それなのに、ただ動物であるという理由で、いかなる生存権も保障されないというのは、確かに容認しがたいものです。

 本書は、霊長類の実験に絞って、動物実験を批判する動物擁護団体と、実験研究者との双方にインタビューして、双方の主張を公平に紹介しています。それと同時に、最先端の科学研究のトピックも追跡して、とてもわかりやすい読みものになっています。動物実験を考える人々には必読の一冊と言えるでしょう。(原書は1993年に出版)

 

 

 

 

  動物実験を考える
  なぜサルを殺すのか

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