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  HOME > アピール > 獣医学教育に動物福祉の導入を  
 

アピール

AVA-net 121号 2006.11-12

獣医学教育に動物福祉の導入を

社会が求める獣医学教育への転換を求め、

大阪府立大学に質問


今年の8月末に大阪府立大学の獣医学部で飼育されていた犬が3頭、死亡および衰弱しているのが発見されました。大学が夏休み中で、世話をする者の管理体制がおろそかにされていたことが原因とみられます。一般社会では獣医師は動物の命を助けるために働く職業だと思われていますが、獣医師を育成する大学では基本的な動物の世話の仕方さえ教えられていないことに愕然とします。これについて大阪府議会議員を通じて、以下の質問及び要望書を学長に送りました。
 

実験動物及び動物実験に関する質問及び要望書

 2006年9月○日

大阪府立大学 学長 殿

 さる8月29日に、貴大学生命環境科学部獣医学科において、実験用に飼育されていたビーグル犬8頭のうち3頭が死亡しているのが発見されました。この件については行政に通報がなされ、すでに立ち入り調査が行われています。

 獣医大学では、飼育動物の生理、習性、生態についての正しい理解のもとに適正な管理することを教える教育機関であると認識しておりますが、この件に関していくつかの疑問がありますので、以下の質問をすると同時に、獣医学教育における動物福祉学の充実と促進をあわせて要望いたします。

1,当該ビーグル犬の死因について

 3匹の死亡について、貴大学では事実をどのように認識されていますか。 犬が死亡した8月下旬には気温が35度を越える暑い日が続いていましたが、それに加えて当該飼育施設はビニールで被われており、通風・換気がなく、炎天下では非常に高温となる状態でした。従って、このような施設では当然予測される熱中症により、3匹の犬がで死亡したと推測されます。貴大学では、死亡した犬の状態を確認し、死因を特定されていますか。

2,飼育管理責任について

 8月下旬は大学の夏休みであり、飼育の担当責任が不明確であった可能性があります。毎日の給餌給水、清掃、散歩等はきちんと行われていたのか、それを明らかにする飼育日誌は存在しますか。

 誰が、いつ、どのような体制で犬の世話をすることになっていたのか、飼育管理の指揮体制についてお知らせください。また施設内の気温が上昇して熱中症になる可能性についての認識がなぜこれまでもなかったのか、お知らせください。

3,実験動物の取扱いについて

 貴大学では、動物実験を行う際に、学生に対して事前にその取扱い等に関してどのような教育をされていますか。実験動物の飼育管理規定及び、実験動物の取扱いに関しての倫理規定等がありましたらお示しください。


4,犬の登録・注射について

 貴大学では、実験用にビーグル犬を100頭余り飼育していると聞いています。しかし実験目的で飼育されている犬であっても、狂犬病予防法にもとづく登録と予防注射がの義務が課せられています。聞くところではこれほど多数の犬を飼育していながら登録もなされていないようですが、今現在の状況をお知らせ下さい。

5,動物福祉・獣医倫理の教育について

 既にご存じのことと思いますが、世界獣医師会は動物福祉の推進を獣医の重要な使命としており、また日本獣医師会も動物福祉の委員会を設けるなどして、動物の福祉に取り組む姿勢を打ち出しています。獣医学教育においては、動物の病理や生理的機能に関する知識の習得のみならず、動物の適正飼養や飼い主の責任と義務を身に付けていくことがなされなければ、社会に出たときに獣医に求められる役割を果たすことはできないでしょう。将来、適正飼育について一般の飼い主を指導する立場に置かれる獣医師が、大学の教育課程においてこのように無責任でずさんな飼育をしていることは、ほとんど信じがたいものです。貴大学では、教育科目の中に、動物福祉、獣医倫理に関する時間が、何年次で何時間取られているか、お知らせください。

 犬や猫を家族の一員として共に暮らす人々は3世帯に1世帯もあり、世論調査でも動物の愛護に関心のある人々は増大しています。このような社会の変化の中で、獣医師に求められる役割は、動物の治療のみならず、動物福祉に関する正しい理解と普及の担い手であるとみなされています。
 大阪府立大学獣医学科は、大阪府民及び国民の税金を受けて運営されており、社会的責任を果たす義務があります。その観点から、私たちは貴大学に対して以下の要望をいたします。


要 望 事 項

1,他大学で行われているように、教育課程の中に、動物福祉学、獣医倫理学を必修科目として導入すること。

2,動物の飼育管理の責任体制を明確にし、動物の給餌給水、清掃、健康チェック、適宜の運動等を記録する飼育日誌をつけることを義務化すること。また、動物愛護法に基づく実験動物基準が遵守されているかどうかを評価する仕組みを導入すること。

3,動物実験を行う際は、学生であっても実験計画書を書かせ実験委員会が事前審査を行う等、文部科学省の実験動物指針に基づいて実施すること。また、実験終了後の犬は安易に殺処分せずに、できる限り新たな飼い主探しをするなど生かす方策を取り入れること。


 この要望書は大阪府議会議員を通して府立大学に送付され、10月14日付けで大学から正式回答が寄せられました。大学側は非を認め「深く反省」しているとのことです。この件については次号でまたお知らせいたします。

獣医大学に「動物福祉」教育がないという現状

 

 

 

 

 

 
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